エチケット・予防
口臭ってどうして出るの?どうやったら防げるのでしょうか?
口臭には色々なタイプのものがあり、それにより防止法も異なります。
口臭には大きく分けると以下のものがあります。
1.口の中が原因の口臭
2.胃など消化器官が原因の口臭
3.生理的な口臭
4.食べ物が原因の口臭
5.口臭症
1.口の中が原因の口臭
主なものに虫歯や歯周病によっておこる口臭があります。これらの病気の原因となる、歯や歯肉についた細菌(プラーク)、舌の上についた微生物によっても口臭がおこることがあります。
虫歯や歯周病による口臭は、治療を受けないとなくなりません。
舌についた微生物が原因である場合、舌専用の清掃具で舌を磨くと効果があります。舌専用の清掃具は最近多く市販されていますのでぜひチェックしてみてください。
2.胃など消化器官が原因の口臭
特に胃が悪い人(慢性的な胃炎など)の口臭が知られています。いくら歯を磨いても、原因となっている内臓疾患を治療しなければ口臭はなくなりません。
3.生理的な口臭
空腹な時、朝起きたばかりの時、運動した直後など、誰でも口臭がおきます。こうした口臭はあまり気にする必要はありません。どうしても気になるようなら市販の口臭予防グッズ(スプレー、うがい薬など)を一時的に使ってみてはいかがでしょうか。
4.食べ物が原因の口臭
ニンニクがよく知られていますが、ほかにもネギ・玉ねぎなども口臭の原因となります。
臭いの元となる物質は血管内に吸収され、肺を通じて息に混じるため、歯みがきをしても完全には口臭はとれません。時間が解決してくれるのを待ちましょう。
5.口臭症
客観的には口臭がないにもかかわらず、本人にしてみれば口臭があると考えてしまう症例のこと。
口臭のセンサーに息を吹きかけて自分で納得するなどの方法しかありません。
電動歯ブラシって良いのですか?
『電動歯ブラシ』とひと言で言っても実に様々な種類があります。
ブラシの形、毛先の動き方、各社様々な製品を出しているのです。
そのうちの何種類かは、どう上手に磨いても汚れが効果的に落ちにくいものもあります。また、汚れを効率的に落とすことのできる電動ブラシでも、その能力を発揮させるにはかなりコツがいるようです。
毛先が汚れにあたらければ、どんなに効率よく汚れを落とす機械でも意味がないのです。
歯磨きの時間を短縮して効率よく歯みがきをしたいという方は、きちんとした電動歯ブラシの使い方を指導してもらいましょう。
かなり進行した虫歯や歯周病の患者さんから「電動歯ブラシで磨いてるのに……」というセリフを実際の医療現場でよく聞くこともあり、私は患者さんにお勧めはしていません。
私見ですが、もちろん正しい使い方をすれば便利な道具なのでしょうが、電動歯ブラシのコツを会得するよりも普通の歯ブラシでの正しいブラッシングの方が易しいように思うからです。
なお、電動歯ブラシでも普通の歯ブラシでもそれだけでは不十分です。デンタルフロスや歯間ブラシといった補助器具を使わなければ、きちんとしたプラークコントロールはできません。
液体歯みがきとかデンタルリンスは効果があるのですか?
『いい』か『悪いか』といわれれば、『いい』です。
しかし、これらの物を使っていれば、多少歯ブラシが雑でも大丈夫だ、ということではありません。
お風呂に入るときのことを考えてください。体をこすらないままセッケン水の中に浸かっているだけで、汚れは落ちるでしょうか?
どんなにいい歯みがき粉も、どんなにいい薬品も、ブラッシングがきちんとできていなければ効果はありません。お風呂でちゃんと体を洗わないのに高いセッケン水に浸かっているのと同じです。
『ガムは歯に悪い』って子供のころ教わったのに、最近『キシリトールガムは歯にいい』とテレビで宣伝していますが?
まず覚えていただきたいのは、『ガムを噛む』という行為は、歯にとって良いことなのです。
『歯に悪い』のは、ガムの中に含まれる糖分です。糖分を含んだガムを噛むことによって、口の中の虫歯菌にダラダラとエサをやりつづけていることになり、その結果虫歯を生んでしまう可能性が高くなるのです。
ではガムに糖分がなければどうでしょう。
『噛む』という動作は唾液の分泌を促進します。唾液は非常に大切なもので、口の中の常在菌(虫歯菌をはじめ、誰の口にも普通に存在する菌)を洗い流す作用の他に、バイ菌と戦ったり、虫歯菌の作り出す酸を中和したり、歯の表面を硬くして酸に対する抵抗力を高めたりする役目があるのです。
つまりノンシュガーのガムであれば、ムシ歯を抑制する作用があるのです。その上、キシリトールには虫歯菌の活動を弱める働きもあります。
キシリトールは白樺から取れる天然の甘味料です。あまりたくさん食べ過ぎるとお腹がゆるくなりますが、食後にキシリトールガムを噛むことは、虫歯予防になり、北欧では食後のキシリトールガムは習慣化しているほどです。